学校司書が憂う「読書量の二極化」、年間300冊と0冊の差は〇〇に…スマホ世代の中学生にこそ必要?図書室を"居場所"として整える仕事のリアル

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文部科学省のホームページにも、「学校図書館の機能・役割」として「子どもたちの居場所の提供」とある。実際、杉山さんも「居場所としての図書室を提供してほしい」と教育委員会から強調されているそうだ。

学校司書の仕事は、単なる「本の貸し出し係」ではない。新刊の選書や発注、フィルム貼り、データ入力、破損本の修繕や廃棄、図書だよりの作成、季節ごとの展示、授業用資料の準備、探究学習のサポート、委員会活動の補助など多岐にわたる。

読書の楽しさを知ってもらうために、まずは図書室に来てもらわなければ始まらない。だからこそ杉山さんは、選書にも工夫を凝らす。

「インフルエンサーのエッセイや、映像化で話題になった原作、人気楽曲を小説にした本など、限られた予算のなかで子どもたちの興味、関心に合わせた本も選んでいます。

目的は読ませることではなくて、本がある環境にまず慣れてもらうこと。入り口は何でもいいから図書室に来て、たまたま目に入った1冊を手に取ってもらうことが、知りたいと思う力を呼び起こすことになるのではないかと考え取り組んでいます」

毎週5日間開館できるわけではない「勤務条件」

学校図書館法には、学校図書館の専門的な仕事を担当する職員として司書教諭と学校司書が定められている。司書教諭は、講習を修了した教員で、12学級以上の学校には必ず置く必要がある。

一方で、学校司書は「置くように努めなければならない」とされており、司書資格は必須とはされていない。自治体によって予算や配置状況が異なるのが現状だ。

杉山さんは教員免許や司書資格を持たず、会計年度任用職員の学校司書として地元の教育委員会に雇用されている。条件は、年間の所定日数、1日4時間勤務、1年更新。

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