なぜ学校は「保護者対応」で疲弊してしまうのか?保護者と《トラブルを起こしやすい教員》《良好なパートナーシップを築ける教員》の決定的差

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AIの進展により今ある仕事が先行き不透明であること、学校以外にも多様な学びの場が選択できるようになってきたことなど、「学校に通うことの前提が揺らいでいる」ことへの保護者の不安も、学校への不信感につながっていると思います。

また、便利なことが前提になり、「やってもらって当たり前」という「豊かさへの慣れ」も無関係ではないでしょう。学校に求められるサービス水準が上がり、些細な行き違いがクレームに発展しやすくなっています。

現場の疲弊を防ぐためには、こうした複合的な背景を正しく理解し、学校と保護者の関係性を再構築する視点が欠かせません。

教員対象調査
東洋経済新報社の調査でも、教員のストレスや悩みは「保護者・PTA・地域などへの対応」が最多となった(出所:東洋経済education×ICT「教員に向けたICT教育に関する調査」)

「保護者とトラブル」になりやすい教員

保護者とトラブルが起きやすい教員は、保護者を「対応すべき相手」や「クレーマー」と捉えがちです。自分の指導を「正義」と強く信じるあまり、保護者の意見を否定的に受け取り、対峙する構図をつくってしまいます。

また、怒りや不満を訴える親を「困った親」と捉え、相手の背景や困り感に想像を巡らせにくい傾向があります。その結果、保護者との間にある“見えない壁”をさらに厚くしてしまいます。

一方で、保護者と良好な関係を築ける教員は、保護者を「子育てのパートナー」と位置づけ、相手の正義や不安に耳を傾けます。怒りの裏にある「困っている」事実に目を向け、子どもを中心に同じ方向を見て対話しようとします。また、保護者が勇気をもって学校に声を届けていることを「誠意」と受け止め、壁を取り払う姿勢を大切にします。

このように、両者の違いは“保護者を見る視点”と“心の構え”に大きく表れます。

私も、当初はこの視座の違いに気付けませんでした。自分を守ることに精一杯で、言い訳ばかり探していたように思います。しかし、わが子が小学校に入学すると、親としての不安や期待、そして何か起こったときのSOSの表れとして、担任教師への「意見」や「要望」になることが見えてきました。

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