なぜ学校は「保護者対応」で疲弊してしまうのか?保護者と《トラブルを起こしやすい教員》《良好なパートナーシップを築ける教員》の決定的差
保護者とのトラブルに発展しやすいのが、学校でケンカやケガなどの問題が起きたときです。この際に教師がまず意識すべきは「心理的事実」と「客観的事実」を分けて受け止めることです。
保護者はわが子のこととなると「うちの子だけが一方的にやられた」「先生は何もしてくれなかった」と感情をそのまま学校に訴えてくることがあります。これらは、保護者の“心理的事実”であり、必ずしも出来事の“客観的事実”と一致するとは限りません。
例えばある年、休み時間の子ども同士のトラブルをきっかけに保護者が強い怒りを示したことがありました。その訴えは、私が聞き取っていた事実とは異なることが多く含まれていました。しかしすぐには弁明せず、まず保護者の「わが子が傷ついた」という心理的事実に寄り添い、丁寧に話を聴きました。
「学校で悲しい思いをさせてしまい、その気持ちがすっきりしないままお家に帰してしまうことになり、申し訳ありませんでした」と、保護者の心理的事実に心から謝罪をしました。そのうえで、双方の子どもからの聞き取り内容や状況を冷静に説明し、再発防止策を一緒に考えました。
すると保護者は「電話をする前は怒りが爆発してしまいましたが、話を聞いてもらえて安心しました。失礼な言い方をして申し訳ありませんでした」と態度を和らげ、最終的には「これからも、先生にきちんと話すように子どもに伝えます」と協力的な姿勢に変わったのです。
心理的事実を受け止めたうえで客観的事実を丁寧に共有する姿勢は、保護者の不安を信頼へと変える第一歩なのです。
4月の「保護者会」は信頼をつくる「起点」
新年度が近づいていますが、「子育てのパートナーシップ」を築くためには、4月の保護者会は最重要な場です。
まず大切なのは、自己紹介とは別に所信表明を明確に伝えること。担任としてどのような思いで子どもたちと向き合うのか、どんなクラスをつくりたいのか、“腹の声”として語ります。保護者は校長や学年主任以上に、担任の言葉を聞きに来ています。
また、保護者が学校に意見を伝えることは決して簡単ではありません。だからこそ、「どんな小さなことでも迷ったら相談してほしい」と、積極的に「聞く」姿勢を示すことが欠かせません。これは繰り返し伝えることで初めて届くメッセージです。





















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