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「1枚ずつ味変」「卓上で育てる」「デミグラスジュワッ」串カツ田中の新業態「ザ・メンチ」が埼玉・大宮を選んだ理由と"既視感"の正体

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  • 大関 まなみ フードスタジアム編集長/外食ジャーナリスト
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さて、一般的な消費者としては、美味しいメンチカツに楽しい演出までついて大満足の食事……だったが、筆者としては違和感が残る。

これは完全に少し前に流行った“劇場型ハンバーグ店”のオマージュだ。2020年ごろから、このような演出を盛り込んだハンバーグ店がブームになっている。

3枚のメンチカツを味変しながら楽しむのは、ブームをけん引した「挽肉と米」と同じだ。同店では3つのハンバーグを順に提供し、それぞれ味変をしながら楽しむ。

鍋で好みの焼き加減にするのは「極味や」から着想を得ているのだろうか。同店では、中はレアに仕上げたハンバーグを、目の前の鉄板でお客自身が好みの焼き加減にしながら食べるという趣向だ。

「極味や」のハンバーグ。中はレアで、お客が鉄板で追い焼きしながら食べる(筆者撮影)

こうしたハンバーグ店を元ネタに、メンチカツにそっくりそのまま置き換えていることに感心した。さしずめ“衣で揚げた劇場型ハンバーグ”。ハンバーグと比べて衣がある分、クリスピーな食感が入ってこれはこれで美味しい。同社が得意とする「揚げる」を生かしながら、うまくトレンドを取り入れている。

あえて大宮という立地の妙

この新業態は1号店をあえて都心に出さず埼玉の大宮に出しているのもキモだ。例えば渋谷のような、トレンド最先端の街に出せば最初は話題になるかもしれないが、すでに類似業態も多くある。目の肥えた都心の消費者からは「またこれか」とすぐに飽きられそうだ。

そこで埼玉の大宮というのが絶妙だ。埼玉の主要駅だけあり抜群に人は多いが、トレンド感度は都心と比べたらそこそこ。こうした劇場型の飲食店を新鮮に思う人もまだまだ多そうだ。ここで人気を獲得し、さらに郊外に出ていくのもアリだし、逆に認知が上がれば都心に勝負を打って出て行ってもいいかもしれない。

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【「脱・串カツ」の布石になるか】

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