ところでスズキでは2024年から全社を挙げて取り組む「SDVライト」の一手段として、内装デザイン刷新を掲げている。eビターラでは「市場と車格にちょうどいいデジタル・コックピット」(スズキ資料原文)として、フィンランドのエスポーに本拠地を置く「Qt Group」のデジタル・コックピット「Qtフレームワーク」を用いた。
特徴は直感的なデジタル体験ができることで、車種やプラットフォームにまたがるすべてのUI(ユーザーインターフェイス/システムと人の接点)コンポーネントを単一のコードベースで設計からテスト、そして再利用できることにある。スズキのSDVライトは、“ちょうどいい”を意味する「right」だから、Qtフレームワークの採用はうってつけだ。
わかりやすいが、操作に手間が少しかかる
しかし、視覚効果を狙ったQtフレームワークのそれは、運転中に触れる必然性が生じるHMI(Human Machine Interface/人と機械の接点)として考えると、さらなる検討の余地がある。たとえば筆者おすすめ機能であるイージードライブペダルの3段階切り替えは、センターディスプレイを3~5回タッチ操作しなければ選択できない。しかも安全上の理由とスズキは説明するが、現状は停車中にしかその変更ができない。同様に、平均電費をリセットする画面の階層も深く、見つけにくい。
誤解のないように補足すると、センターディスプレイ画面をタッチするごとに変化するCGI(Computer-Generated Imagery/CGアニメ)はどれも作り込まれ、美しくてスムースな動きだし、機能をイメージさせるには有効だ。しかし、運転中はサッと眼を向けた瞬間、具体的には1秒以内にパッと機能の位置や階層がわかるほうが安全であると筆者は考えている。
たしかオーナーからすれば頻繁に変更しない切り替え機能を、意図的に深い階層に置くことは理にかなっている。だが、せっかくSDV化を謳うのであればCGアニメを大胆にやめて(失礼!)、擬似的に大きなボタンを立体的に描いてドライバーの判読率を高める、そんなアプローチがあっても良さそうだ。




















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