一方で気になった点もある。まずは車内の床面が高めで、足や腰のおさまりが若干悪かったことだ。もっともシートリフター機能で座面全体を上げれば足元には余裕が生まれるが、170cmの筆者が正しい運転姿勢をとった状態で空間を得るために座面を上げると、今度はメーターディスプレイ(10.25インチ/運転席前)とハンドルとの被りが大きくなり(ハンドル位置は調整済み)、さらにセンターディスプレイ(10.1インチ/車内中央)への画面タッチも遠くなり、シートのバックレストから肩が離れてしまう。
BEV専用に新開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」は、大容量バッテリー(61kW/49kW)を搭載しながら、高い剛性と優れた安全性能や軽量化を実現している。筆者が気になった床面の高さは、まさしくこれらと二律背反の部分だ。
eビターラのトヨタOEM版となる「アーバンクルーザー」が欧州市場向けとして発表されているが、欧州では当然、想定されるドライバーの体軀が異なり平均的な日本人よりも身長が高めの傾向になる。スズキ側への確認は取れていないが、身長の高いドライバーであれば筆者よりもシート位置が車体後方へ、ときに低い位置へと移動し、必然的に腕や足を投げ出す方向でドライビングポジションが決まるため、そこでの整合性も鑑みてeビターラの車内空間設計はなされたのであろうと推察できる。
前方視界やアクセルペダルに改善の余地あり
また、広い左右視界と比較して前方視界の天地幅が若干狭い。室内高はシェードの張り出しなどで低くなりがちなガラスルーフを装着しても1140mm確保されているが、前述の高めに感じた床面との相乗で心理的な圧迫感を抱いた。
アクセルペダルも長さが若干不足している。筆者の足サイズは25.5cmだが、高めの床面とペダル長の短さに起因して、ブレーキペダルから踏み替えるシーンで足がアクセルペダルを正確に捉えることができない(≑軽く踏みはずす)ことが数回あった。
先に美点として紹介しているイージードライブペダルだが、コントロール性こそ良好ながら、このペダルサイズ由来の“難しさ”が同時に存在する。この課題はペダルが2~3cm長ければ解決しそうだが、衝突時に発生するドライバー下肢への加害性を考えると、延長は難しいかもしれない。




















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