献立は1週間分を暗記——80歳「スーパー寮母」の日課と段取り。若者の暮らしを支えて半世紀、学生寮を続ける活力はどこから?
勝子さんの料理には、栄養計算よりも優先される“視覚的なルール”がある。
「煮物や揚げ物はどうしても茶色ばかりになるでしょう。だから、赤はトマト、緑はブロッコリー、あとは紫キャベツ。常にカラフルな色を混ぜるようにしています。パセリも乾燥ではなく生のものを使うのが譲れないルールです」
学生寮で提供する料理は「まかない」という位置づけである。そのため、勝子さんは栄養士資格や調理師免許を持っていない。だが、朝夕の料理は健康的で色鮮やかだ。
取材日の朝食は「卵とじ丼」で、筆者もいただいた。椎茸、はんぺん、ネギ、鶏肉が絶妙な色合いで並ぶ。また、オムライスやハンバーグなど、若者が好きそうな献立を選んでいるという。
唐揚げは「おやつ」
取材の日、寮の手伝いに来ていた長女の幾子さんは母・勝子さんについてこう語る。
「母は若者が好きなものを毎日食べてるし、味付けも濃いめ。胃袋が高齢者じゃないんです。それと、学生のためにいろんな食材を取り入れて、それを自分も食べているから元気なんじゃないかと思います」(幾子さん)
その横でフフフッと笑いながら、勝子さんは「唐揚げはおやつです(笑)」と言った。




















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