「ドラえもん」新作を映画ライターが"本気"で観た結果…ドラえもんのせりふにハッとした 《映画ドラえもん興行収入ランキングTOP10》も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今作は、オリジナルよりも大迫力のアクションシーンが増えている。さらに、ラストに向けたタイムリミットサスペンス的なドキドキ要素もふんだんに加わっている。子どもたちは大興奮だろう。

そこには、のび太たちの仲間を思いやる気持ちと、勇気があふれている。数々の難関を子どもたちが力を合わせて乗り越えていく姿に、大人たちは胸が熱くなるに違いない。

ドラえもん
(写真:『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2026)

ドラえもんの“痛烈なせりふ”にハッとした

本作には、子どもにも大人にも伝えようとしていることがある。

「迷ったら、正解ではなくても、心が正しいと思う方を選べ」とドラえもんはのび太に問いかける。

これは、何千年も前の法律に縛られて、現実に即した正しい選択ができない海底人に向けた言葉でもある。正しいことと正解は異なる。物事の正解とは、その社会の基準に即した答えであり、それが時と場合によっては、必ずしも人にとっての正しいこととは限らない。

ムー連邦の海底人たちは、ずっと問題を先送りし、目を閉じ続けてきた。現実から目を逸らすことで、正しい判断をしなかった。それがいつしか、決断ができない体質になってしまった。

自分の頭で考えることを放棄してはいけない。正しいことのために行動しなければいけない。それを映画を観る子どもたちに向けて強く訴えている。

「選択せずに祈るだけなら滅ぶしかない」(ドラえもん)という言葉は、現代人への痛烈なメッセージになっている。

それは社会のさまざまなシーンにあてはまる、ただひたすら慣例を遵守する風潮へのアンチテーゼだ。その言葉が心に刺さる、社会のしがらみに縛られた大人たちもいることだろう。

次ページ子ども時代を振り返るきっかけに
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事