「ドラえもん」新作を映画ライターが"本気"で観た結果…ドラえもんのせりふにハッとした 《映画ドラえもん興行収入ランキングTOP10》も

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本作は、核ミサイルによる生存の危機にさらされた海底人たちと、地球そのものを救うために、子どもたちが勇気を振り絞って立ち上がり、仲間を信じて力を合わせ、強大な敵に立ち向かう物語だ。

それは、ハラハラどきどきしながら楽しめる、ドラえもんとのび太たちの海底大冒険であり、そこには、海を舞台にする物語を通して、子どもたちに現実の社会問題への思考を促す問いかけが盛り込まれる。それが、大人はもちろん、子どもたちにも伝わるよう、わかりやすい目線で描かれている。

キャンプをするのび太たちは、海底のゴミに気づく。ビニールやペットボトル、タイヤなど人間が捨てたたくさんのゴミがあちこちに落ちていた。また、ムー連邦の人々は、海底資源を際限なくあさる陸上の人間の身勝手さに言及する。

もし海底人がいたら、現状の海をどう捉えるか。われわれ陸上の人間の行状をどう見るか。そんな視点から、現実に起きている環境問題に触れ、国や人間の都合による暴力的な自然破壊への警鐘を鳴らしている。

子どもたちがワクワクする描写も盛りだくさん

もちろん子どもたちが純粋に楽しめる映画であることは間違いない。

ムー連邦の海底都市は、カラフルでポップに描かれる。キラキラした不思議な街で、追いかけっこをして転ぶドラえもんたちのシーンなど、子どもたちが笑いながらワクワクするような描写が盛りだくさんだ。

世界には自分たちとは異なる多様な文化や社会がある。そこでは他者への思いやりや優しさが欠かせない。そんなことも子どもたちは感じるに違いない。

ドラえもん
(写真:『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2026)

また、今作ではオリジナルにはいない新たなキャラクターが登場する。その存在と加えられたエピソードは、物語の芯になる重要な意味を持つ。加えて、オリジナルと比較して、今作はしずかちゃんの海底での細かなエピソードがより丁寧に描かれる。

それらには、ラストシーンに説得力を持たせる意味合いがある。オリジナルのラストに唐突感を感じた大人たちがいれば、今作の補完されたストーリーに納得し、充足感を得られるに違いない。

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