「約120万kl→約68万kl」しょうゆの国内消費激減で苦戦かと思いきや…キッコーマンが懐に忍ばせる需要確保の"切り札"
減塩しょうゆの普及を後押ししたもう1つの要素が、容器の進化だ。
塩分が少ない減塩しょうゆは、開栓後に色や風味が変化しやすく、従来は冷蔵保存が前提とされてきた。
こうした課題を解決したのが、2010年に登場した、空気に触れない構造を持つ「いつでも新鮮」シリーズの鮮度保持容器である。この容器の採用により、開栓後も常温で本来の色・味・香りを保ちやすくなり、家庭での使い勝手が向上。減塩しょうゆが日常の選択肢として広がる後押しとなった。
北アメリカで《しょうゆ》がバカ売れ
しかし、国内の減塩しょうゆ市場は、コロナ禍をピークに停滞気味となっている。コロナ禍で拡大した内食需要が一巡したことに加え、調味料の選択肢が増えたことで、家庭内でしょうゆ自体の立ち位置が変化してきていることも影響しているのではないかと考えられる。
ただ、同社は「今後も塩分摂取に対する意識はさらに高まると見ており、これからも塩分摂取の課題に向き合っていきたい」と話す。
対照的なのが海外市場だ。健康志向の高まりや生活習慣病対策を背景に、減塩しょうゆの需要は世界的に拡大している。
特に北米や欧州、中国などでは、政府による減塩政策や表示規制の強化を背景に、外食・加工食品向けの採用も広がっている。
「北米では、低ナトリウム食品全般の需要が拡大しています。FDA(※1)による規制やガイドラインの存在も、食品業界全体で減塩の取り組みが進む要因の1つです。
アジア太平洋地域では、中国やASEAN諸国を中心に、もともとしょうゆの消費量が多いことに加え、高齢化の進展や生活習慣病への関心の高まりが、減塩しょうゆの需要拡大につながっています。特にシンガポールやタイでは、高血圧対策を国の方針として掲げていることも大きく影響しているかと思います」
※1…Food and Drug Administration(アメリカ食品医薬品局)




















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