「漫画を描かずに死ねない」→仕事辞め、30代半ばで"漫画家に転身"…10歳で物語に絶望した彼女が、「ノスタルジックな漫画」を描くに至るまで
佐賀が舞台のボーイ・ミーツ・ガール
ーー連載中の『棕櫚の木の下で』は、1980〜90年代の佐賀の小学生の何気ない日常を描いています。人生の示唆に富んだ言葉が多く埋め込まれていますが、この物語をどんな人たちに読んでもらいたいですか。
誰かに何かを伝えたいというより、純粋に自分が過ごした佐賀での小学生時代の出来事を基に何かを描いてみたい気持ちが強かったのですが、誰に読んでもらいたいかと考えると、かつて子どもだった大人たち。つまり世の中の人、全員に読んでもらいたいです(笑)。
そして、読んだ方それぞれが、自分自身にとって何が本当に大切か、本当に守らなくてはいけない大事なものは何なのか、思いを馳せたり考えたりするきっかけになったら嬉しい。
日々が苦しかったり、つらい思いをしている人をはじめ、多くの人にとって、身の回りの美しいものに気づくような感性を刺激する漫画になってほしいです。
ーー主人公・南里ソテツの感性は、小学5年生ながら独特です。彼の言葉は、幼少期のメグマイルランドさんの思いなのでしょうか。
ソテツの感じることを昔の私も考えていたと思うんですけど、多くの子どもはそれを誰かに伝えたり、自分はこう思っているとはハッキリ言わないし、言えない。
当時の私は、自分に対しても言葉を明確にできなかったから、自分が何を考えていたんだろうって思い返したときに、何も浮かんでこなくて、まったくわからなかった。
でも、何も考えていないわけではない。いろいろなことを感受して、思いは確実にあるのに、それを言葉にも絵にもできず、外に発することができなかった。




















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