「漫画を描かずに死ねない」→仕事辞め、30代半ばで"漫画家に転身"…10歳で物語に絶望した彼女が、「ノスタルジックな漫画」を描くに至るまで
それがずっと尾を引いて、美大卒業後も漫画ではなく絵画を描いていたんですけど、日々の生活のなかでいろいろなことが気になって、さまざまな経験を積み重ねてきたなか、そういうものを組み合わせたら物語が書けるかもしれないと少しずつ思うようになりました。
10歳くらいで自分は物語が書けないと悟って、30代半ばに差し掛かってから物語を漫画で描きたいと思い始めました。物語を描くのに、それくらい長い年月が私には必要でした。
「死ぬ間際に後悔したくない」退職して漫画を描いた
ーー描き始めた時点で、プロとして生きていこうと考えていたのですか?
考えていなかったです(笑)。自分が漫画家になれるとは思っていませんでした。でも、漫画を描きたいのに、描かないまま終わる人生を考えたらゾッとして、それだけは絶対に嫌だと強く思いました。漫画家を目指すより何より、そういう気持ちが最初にありました。
ーー「漫画を描かずに死ねない」という強い気持ちが原動力になったのですね。
私には、死ぬ間際の自分を考える視点が常にあって。そのときに後悔したくない、描かなければ死ぬ間際に絶望する、と思いました。当時は会社員だったのですが、仕事をしながらでは漫画を描く時間がないので、まず会社を辞めました。
でも、漫画を描いたこともないし、どうしていいかもわからない。闇雲に描いているうちに、どんどん時間が過ぎ、お金も尽きていって。このままでは生活できないところまで追い込まれて、1作描き終わらずに再就職しました。
そのときは「自分はダメだ」って落ち込みましたが、それでも働きながらコツコツ描いて、『水辺のできごと』を仕上げました。




















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