「マウントを取る人は脳が老化しやすい?」最新研究で判明した、脳の若さを左右する"比較"の対象

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ただし、若い頃から人との能力の比較よりも人と考えを比較する傾向がある人が高齢になっても記憶機能が保たれているのか、若い頃は同じくらいの記憶機能だったけれど人と考えを比較する傾向のある人だけが年齢を重ねても記憶機能が保たれているのか、という点については今後のさらなる研究が必要です。もしも、高齢になるに従ってその差がつくのだとしたら、それは明らかに生活習慣や長年の蓄積によるものです。

現段階では、「人と考えを比べる傾向がある」人は、明らかに良い脳の特徴を持ち記憶機能を保っているという結果が出ているので、日々の会話で人の考えに興味を持つことは推奨できると言えます。

相手が「どう思われたがっているか」を聴き取る

では、マウントを取ろうとする人との会話でどんなことに気をつけていれば、ストレスを受けずに済むでしょう。

マウントを取るということは、「こういうふうに見られたい」という思いに正直であるということです。「どう思われたいか」が丸わかりで、その人の欲望はガラス張り状態と言えます。

そこで、その欲望のポイントに注目しながら、心の中では「観察モード」で聴くという方法があります。たとえば、相手が「同期で最初にリーダーに抜擢されたので残業続き」「早く帰宅できる人がうらやましい」とマウントを取る場合なら、

「自分は優秀だ……とこの人は言っている」と、観察モードで受け止め、心の中でナレーションを入れるのです。

「自分はモテる……と言いたいらしい」「あなたより私のほうが上司に信頼されている……と言いたかった」など、バリエーションは豊富です。

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コツは、相手の言葉に反応せず、「こう思われたいから、こう言う」「そういうふうに思われたいから、一生懸命アピールしている」と、淡々と観察することです。そして、「そうなんですね」「なるほど」と合いの手を打つとよいでしょう。

相手にもよりますが、マウントを取ろうとしていることが明らかであれば、接客業の人が使うとされる「さしすせそ」、「さすがですね」「知らなかった」「すごいですね」「センスいいですね」「そうなんですね」が役に立ちます。

そうすると、メンタルを守れるだけでなく、自分では全く考えつかないような視点や思想を知れるオマケがつくという幸運に恵まれることもあります。苦痛なはずの時間を有益に変えられるのです。これは、思考シミュレーションの一種です。

大武 美保子 ロボット工学博士、認知症予防研究者

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おおたけ みほこ / Ootake Mihoko

ロボット工学博士、理化学研究所 革新知能統合研究センター 目的指向基盤技術研究グループ 認知行動支援技術チーム チームディレクター。東京大学大学院博士課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院特任助手、助教授、准教授などを経て現職。祖母の認知症をきっかけに、会話支援AIによる認知行動支援技術の開発に従事。会話訓練法として編み出した「共想法」と会話支援ロボット「ぼのちゃん」を活用した認知症予防支援にも取り組む。

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