大阪は中国人観光客激減でも揺るがぬ高市人気、維新の地盤に迫る自民候補、これまでの選挙戦と「全然違う」

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大阪で自民と対決する維新は地元での実績をてこに支持固めを狙う。吉村洋文代表(大阪府知事候補)が1日夜、堺市にある中百舌鳥駅のロータリーで行った街頭演説には、多くの人が足を止めた。大阪市長も務めた経験がある吉村氏は、地下鉄民営化、高校や公立大学の授業料無償化、大阪・関西万博の開催などの実績を強調した。

開始15分前に会場に駆け付けた古家美和(67)さんは、維新を創設した橋下徹氏が大阪市長だった時代に自らも勤務していた市の外郭団体の給与が大幅に削減されたが、維新の改革力を目の当たりにし、支持するようになったと語る。

万博には39回行き、街頭演説にも万博公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみを手にして訪れた。「高市さんは好き」だと語り、維新と自民の「2馬力はすごい、期待しています」と話した。

ベッドタウンである高槻市内のスーパーマーケット前では中道改革連合の近藤昭一共同副代表が、高市首相の外交安保政策について「これは危ない。なんとしても私たちは止めなければ」と買い物客らに訴えていた。「高市さんが大勝すると、そうしたことをどんどんやってしまって、取り返しがつかなくなる」と強調する。

衆院選の投票先として、中道とチームみらいの間で迷っているという玉井幸助(34)さんは、関西を拠点に訪日客向けのプライベートツアーを提供する会社の代表だ。台湾有事を巡る発言には「得なことが一つもない」と話し、中国からの観光客を「言う必要のない発言で損なった」と批判した。

野党側が台湾有事発言を問題視する一方で、高市首相の人気が衰えない背景には、オーバーツーリズム(観光公害)への懸念もある。

大阪市南部・日本橋の道具屋筋で100年以上続く調理用具専門店「川西厨房」代表の川西剛友さん(55)は、インバウンドは大阪経済にとって大きな部分を占めていると指摘する。ただ、市で禁止している路上喫煙をする外国人も多く、「もろ手を挙げてどんどん来てくださいってなるかと言われると、難しい」と話した。

自民を支持する川西さんは、台湾有事を巡る高市首相の発言は問題視しておらず、本音を言う方が本当の関係につながると考えている。

高槻市などの大阪10区には維新の池下卓、中道の尾辻かな子、自民の加納、参政党の井上誠也の計4氏が立候補している。衆院選の同日には「大阪都構想」の是非を問う府知事選と大阪市長選も行われるが、自民や中道など主要政党はいずれも候補者擁立を見送った。

Photographer: Buddhika Weerasinghe/Getty Images

先行き不安

心斎橋で塩川さんが営む焼き肉店は、ムスリムの間で禁忌とされる豚肉などを含まない製品などにお墨付きを与えるハラル認証を取得しており、イスラム圏で利用されているSNSで発信強化に取り組んでいる。

ただ、中東情勢の不安定化はこうした戦略にも影を落とす。サウジアラビアからの顧客は減少傾向にあり、1月はドバイなどからの顧客が来なくなったという。

新メニューの追加や客単価の引き上げに取り組んでいるが、先行きについては「正直ちょっと怖い」と不安をあらわにした。高市首相に期待することを聞くと、「戦争はやめてください」と率直な答えが返ってきた。

著者:照喜納明美

ブルームバーグ
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