突然の解雇で職探し「バイトから居酒屋開業」の裏で約7年間「介護を両立」、ドムドム社長が踏ん張り続けた日々
私は仕事が介護のストレス発散でした。もし仕事に打ち込めない場合は、スポーツジムや趣味のサークルといったサードプレイスを持つ方法もあります。お気に入りのカフェで好きな本を読むだけでも、心が軽くなり、余裕が生まれると思います。
心に余裕がないと、人に優しくするのは難しくなるでしょう。どんなに大切な相手でも、24時間ずっと顔を突き合わせていたら、いつか余裕がなくなるのが人間。そうした状況が長引かないように、意識的にストレスを発散する必要があります。
夫を介護していたとき、私は週に1回、必ず一緒に夕食をとるようにしていました。仕事で帰宅が遅かったため週1回でしたが、だからこそ、お互いを思いやることができ、会話が弾みました。
夫のリクエストで大好きなお寿司屋さんに行き、まるでデートのように楽しい時間を過ごしたこともあります。ヘルパーさんがいてくれたおかげで、つかず離れず、ほどよい距離感を保つことができたのです。
昇進への不安
ドムドムの社長に就いてから、自治体や企業から講演の機会をいただくようになりました。これまでの一風変わった経歴がテーマになることが多いのですが、最近増えているのが、女性管理職や、昇進を望まない女性社員の活躍について話をしてほしいという依頼です。
女性社員が管理職就任を拒むのは、出世欲がないという理由だけではありません。おそらく、男性以上に仕事と家庭の両立が難しいことを危惧していたり、身近なロールモデルがいないことが原因でしょう。
特に子育て中の方は、突発的な子どもの発熱や早退を考えると、「自分にはその立場で高いパフォーマンスは無理だ」と考えてしまう傾向が強いように感じます。
育児中の女性でも、マネージャーとして活躍できるようになるにはどうしたらいいか。これを考えると、「会社の環境を変えるしかない」という答えに行きつきます。
そんな大それたこと、いち社員にできるわけがないと諦めるのは早計です。人手不足が深刻化する今、経営の潮流は「人的資本経営」にあり、会社は社員に心理的安全性を約束し、お互いにとって良い関係を築くことが求められています。
社員はもはや、会社の言うことに従うだけの存在ではありません。ともにより良き環境を作り出すパートナーなのです。ですから待遇改善を相談する余地は以前よりも大きくなっていると感じます。
少なくとも一度は、上司や人事に相談することを考えてみてもいいかもしれません。「管理職を目指したいのですが、子どものことが心配なのでリモートワークを増やせませんか?」「残業をする場合の延長保育代を出してもらえませんか?」など、具体的に要望を伝えてみる方法もあります。
相談した結果を踏まえて、昇進の話を受けるかどうかを決めても遅くはありません。部分的、あるいは段階的にでも要望が通れば、より働きやすい環境に変わっていく可能性は高いでしょう。
少しずつでも良い前例を作っていけば、他の女性社員も、「この制度があるなら子どもを産める」「管理職を目指したい」と前向きに考えるようになるはずです。そして、子育て中で転職を考えている人は、こうした制度が整っている会社を選べると理想的だなと思います。
大切なのは、仕事に対して思いがあるのなら動き出してみることではないでしょうか。一方で、昇進よりも今はしっかり子育てに注力したいと思うのであれば、それも素敵なことです。環境を作るのは私たちで、自らが自分の可能性にふたをする必要はないのです。
人生とは、それぞれのキャンバスに好みの色で自由に未来を描くもの。私は働き出して20年。一つ目の点をおいたときには未来をまったく想像できませんでしたが、私のキャンバスはそれなりにユニークで力強く描けているように思います。
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