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過半数占める政党なしのフランス議会、水面下で進む政界再編、マクロン大統領の凋落で第五共和政崩壊の危機

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  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)

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2025年12月、ロンドンでウクライナのゼレンスキー大統領と会談するマクロン大統領。ウクライナ和平では存在感を見せようとするが…(写真:2025 Bloomberg)

フランス上院は2025年12月15日、26年度予算(26年1月~)を政府案よりも財政赤字が大きく修正された法案を可決した。とはいえ、国民議会(下院)は同修正案を支持しておらず、上下両院の合同特別委員会で審議を継続する。

フランスは欧州連合(EU)が定める財政安定化規律の財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以下にする目標をはるかに超えており、EUが納得する財政政策を打ち出す圧力に晒されている。

上下院・予算案でねじれ、予算案年越し

しかし、下院は25年6月の総選挙で圧倒的多数を占める政党がなくなり、緊縮財政は「決められない議会」のハングパーラメント(宙づり状態)が続いている。

25年9月に首相に就任したミシェル・バルニエ氏は昨年12月には内閣不信任案が可決され、バルニエ氏の後任のフランソワ・バイルー氏は26年度予算案をめぐって再び与野党が対立し、内閣信任投票で不信任となり、辞任した。

その間、25年6月の下院選で左派連合、中道マクロン派と中道右派、極右の国民連合(RN)などの政党も圧倒的多数を得られず、バイルー氏辞任の後に、マクロン仏大統領が39歳のセバスチャン・ルコルニュ氏を首相に任命した。

だが、組閣から1カ月も経たないうちに、自身の政府に対する強い反発を受けてエマニュエル・マクロン大統領に辞表を提出し、受理され、第五共和政史上最も短命な首相となった。

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【憲法の例外的措置】

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