――そのうえで、日本がインドから学べることはどんな点でしょうか。
松本さん 一番大きいのは、「チャレンジへのハードルの低さ」だと思います。インドでは起業することが、感覚的には「クラスの席替え」くらいのノリに感じることが多々あります。やってダメなら別のことをすればいい。会社に戻ってもいい。失敗しても、周りはそこまで気にしない。「小さな失敗を必要以上に恐れない」メンタリティは、日本人が見習ってもいい部分だと感じます。
もちろん、個別のスタートアップを見ていくと、まさに玉石混交で、「この段階で起業しちゃうんだ」と思うことや、ビジネスモデルも練られていないまま自信満々に話をふっかけてくることもよくあり、そこは冷静に見る必要はあるのですが、そうした雑さも含めてインドの精神性が形に表れたものの1つが、スタートアップ・起業、という領域に色濃く現れているのかもしれません。
「失敗を気にしない」のは受験体験が影響している?
松本さん そしてその背景には、10代での極端な受験体験も影響しているような気もしています。インドでの大学受験を突破して起業をしている若者と話していると、極端に言えば「IIT受験に比べれば、この起業の大変さなんて大したことない」という感覚を持っている人も多いのではないかと感じます。
日本の大学入試も、多様化や総合型選抜の拡大で、一発勝負の「ドラゴン桜感」は薄れてきたように思います。それ自体が悪いわけではもちろんありませんし、多様な選択肢が増えていることは基本的にはいいことだと思っている前提で、(一発勝負も含めた)様々なプレッシャーが“過度にならない程度に”かかる中で何かを本気でやりきったという経験を、今の日本社会においてどう作るかは、改めて考える必要があるのかもしれません。




















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