ロシア側で交渉の中心人物となっているプーチンの「お友達」キリル・ドミトリエフも、正式な外交を担うのにふさわしい実績や資格が欠けている点は同様だ。
ドミトリエフは、読者が想像するような典型的なプーチン側近ではない。ロシア政府系ファンドのトップである彼は、旧ソ連の秘密警察KGBの出身ではない。
希望に満ちたミハイル・ゴルバチョフ時代に14歳で交換留学生としてアメリカに渡り、スタンフォード大学とハーバード大学で学び、アメリカのコンサルティング大手マッキンゼーや金融大手ゴールドマン・サックスに勤務したビジネスエリートだ。
プーチンは愛娘のビジネスパートナーの夫を重用
だが、ドミトリエフが持つ最重要の「資格」は彼の履歴書には載っていない。それは、プーチンの娘カテリーナ・チホノワの親しい友人にしてビジネス上のパートナーでもあるテレビ司会者ナタリア・ポポワと結婚していることだ。
仲間内の腐敗したやりとりがウクライナ和平案の背後にあることは、リークされた電話の書き起こしにはっきりと表れている。
その電話でウィトコフはプーチンの外交政策顧問に対し、トランプにどうディールを持ちかけるべきか助言した。別の電話記録によると、同外交顧問に対し、ドミトリエフが「最大限」の要求を示すよう助言したとも伝えられており、そうした根回しが後にドミトリエフとウィトコフ、クシュナーがマイアミでまとめた28項目の和平案には鮮明に映し出されている。
この記事は有料会員限定です
残り 1360文字
