"第二次英仏戦争"を勝利に導き、その後の大英帝国の繁栄を支えた「イギリス国債」という強力な武器

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「第二次英仏戦争」の勝負を分けたのは、両国の資金調達力の差だという(写真:gandhi/PIXTA)
2023年末時点の発行残高が世界全体で140兆ドル、日本円にしておよそ2京円という市場規模を誇る「債権」。現代では当たり前のように資金調達の重要な手段になっていますが、実は今から300年以上も前に、債券による資金調達で世界に覇を唱えた国がありました。それがイギリスです。
本稿では、130年におよぶ抗争の時代にフランスとイギリスの明暗を分けた「債券」の優れた資金調達力について、金融アナリスト・田渕直也氏の著書『教養としての「債券」』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

"オランダの世紀"に生まれた「債券」

お金の貸し借りの歴史は非常に古いものがありますが、債券に絞ってみても、古くは中世イタリアの都市国家、ヴェネツィアやジェノヴァが発行したものが知られています。

現代の債券に結び付く直接の起源はというと、17世紀オランダの州や都市が発行したものがそうだと考えられています。

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