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実は根底で共通する「ひろゆき的思考」と「陰謀論」を拡散する人の危うさ

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「ひろゆき的思考」と陰謀論の共通点や、そうした思考が支持される社会背景について三宅香帆氏が考察します(撮影:PHP研究所提供)
西村博之氏の「ひろゆき的思考」と陰謀論には、表面的には大きな違いがあるように見えますが、実はその根底に共通する考え方が存在します。どちらも「現実には隠された何かがある」と考え、その「気づき」を重要視するのです。本稿では、文芸評論家の三宅香帆氏の著書『考察する若者たち』より一部抜粋のうえ、その類似性に迫り、現代社会における「気づく力」の意味を考察します。

「ひろゆき的思考」と陰謀論の共通点

西村博之(いまは「ひろゆき」という名前で呼んだほうがピンとくるだろうか)が創設した「2ちゃんねる」などの匿名掲示板について、メディア研究者の伊藤昌亮は「ひろゆき論」(『世界』2023年3月号)で、陰謀論的な思考が増幅される点を批判していた。さらに伊藤は、日本の匿名掲示板がいわゆる「ネトウヨ」をいかに生み出してきたのか解説している(『ネット右派の歴史社会学』)。

陰謀論には、政治学者の秦正樹曰く「ある重要な出来事の原因を、一般人には知り得ない強大な力に求める点にその特徴がある」(『陰謀論』)。

つまり、何か大きな政治や社会の出来事が起こったとき、一般人には隠されているが強い影響力をもっている人びとの意図によって引き起こされたのではないか、と考えるのが陰謀論である。

たとえばアメリカの新型コロナウイルスワクチンには「マイクロチップが埋められている」「ビル・ゲイツが人びとの行動を捕捉しようとしている」という言説がSNSを通して急速に広まった。これは陰謀論的な論理──ワクチン接種を推進する裏にはビル・ゲイツらの企図が隠されている──である。

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【陰謀論の論理と「ひろゆき的思考」はどこが似ているのか】

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