9月のCPIはそうした市場の懸念がさほど反映されていなかったことで、安心感を誘ったと市場は解釈しているようだが、裏返せば、国民への価格転嫁はこれからが本番とみることができる。
もし今後も価格転嫁がなされないならば、(すでにリアルに高関税が課されている以上)それだけ企業収益の下押し圧力になっているはずだ。ところが、日米ともに株価は史上最高値を更新し続けている。もっとも、値上がりしているのはGAFAMやAI関連の人気株だけで、その他の企業は均してみれば横ばいのようだ。ある意味、株価は冷静に企業を選別しているともいえる。
FRBのdual mandate(2つの使命)が物価安定と雇用最大化である以上、金融政策の判断において雇用統計は不可欠な統計だ。今回のFOMCは雇用データの手がかりなしに政策判断することになる。もちろん、ADPなど民間の雇用データはあるが、最近ADPと政府の雇用統計の乖離が目立っており、(どちらが正確に実情を表しているかの議論はさておき)なかなか決め手にならない。
安全策としての利下げは妥当だが…
こんな状況でFRBは「データが不完全だから様子見」となるのか、「behind the curve(景気・雇用の悪化に政策対応が後追いになること)になるといけないから利下げしておいたほうが安全だ」となるのか。単純化すれば、このようにどちらかの判断を迫られるわけだが、今回は後者を選択するとみてよいだろう。
それにしても、だ。市場の利下げ期待はあまりに前のめりである。9月のFOMCメンバーによるドットチャートと市場の利下げ期待を比較してみよう。
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