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揺れ戻しの「環境政策」にこだわり続けるECBのホンネ/本来の中銀の役割を逸脱、次は競争力と軍需関連の強化へシフトか?

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  • 土田 陽介 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員
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ところで、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、中銀である連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し執拗に利下げを迫っている。そのパウエル議長の任期が2026年5月に迫っているため、後継の理事長がハト派の理事から選任される可能性が浮上している。一方、ECBのラガルド総裁は2027年10月に任期を満了する。

ラガルド総裁が本当に任期を満了するのか、疑問の声もある。ラガルド総裁は今年6月5日の会見でその可能性を否定したが、世界経済フォーラム(ダボス会議)の会長職に就任するために、任期を満了する前に退任するとの臆測が流れた。不正疑惑のために世界経済フォーラム会長を退任したクラウス・シュワブ氏の後継候補として白羽の矢が立ったためである。

ECBの総裁人事は、他のEUの要職人事との間で、バランスを取って行われる。こうした点からもECBの総裁人事は投資家の注目を集めるが、言い換えると、ラガルド総裁を中心とするECBの現執行体制は、総裁の退任を見据えて、徐々にレームダック化していることになる。そして、総裁は総裁で、自身の“レガシー”を作りたいところだろう。

ラガルド総裁の狙いは「レガシー作り」か?

つまるところ、2026年下期に実施するとアナウンスした環境金融のスキームは、ラガルド総裁のレガシー作りの一環と評価できるのではないか。グローバルに揺り戻しが生じている環境対策に対するラガルド総裁流の警鐘とも言えそうだ。しかし、ここで改めて問われて然るべきは、環境対策は本当に中銀の責務なのかという本質的かつ素朴な疑問だ。

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