東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」

イギリスではわずか44日で政権が崩壊、最近の金利上昇が示唆する"多党化時代"の日本に迫り来る「トリプル安」の恐怖

6分で読める

INDEX

今夏の参院選で敗北を喫した自民党。石破首相は「多党化」が進む中で難しい政権運営が迫られている(写真:ブルームバーグ)
ここ数年間の長期・超長期金利の上昇は、さまざまな要因によって生じている。2022年頃以降の上昇は、日本銀行の金利統制(イールドカーブ・コントロール、YCC)の廃止や物価上昇に起因するものであり、名目金利の上昇だ。
ところが2025年以降は、トランプ関税や財政危機の高まりに起因する、実質金利の上昇となっている。多党化時代の政権は長期金利に最大の注意を払わなければならなくなる――。野口悠紀雄氏による連載第152回。

金利上昇を2つの局面に分けて考える

長期・超長期金利が上昇しており、問題視されている。これにはさまざまな要因が関連しているので、それらを分けて考えることが重要だ。

第1に、2025年になってとくに超長期債の利回りが歴史的な高水準になっているという問題がある。そして第2に、中長期的に見ても長期債と超長期債の利回りが趨勢的に上昇している。

まず、第2の側面について見ると、日本の長期金利は2016年から2020年までほとんどゼロ%であり、動かなかった。これは、物価上昇率が低かったこと、そして2016年以降はYCCという日銀の直接的な金利統制によって、長期金利が人為的に低く抑えられていたからだ。

ところが、日銀は市場の利上げ圧力に抗し続けることができなくなり、2022年12月に長期金利の上限を引き上げた。そして、2024年3月にはYCCを解除し、世界で最後のマイナス金利から脱却して、17年ぶりの利上げを決めた。

次ページが続きます:
【ところが今年に入って状況が一変した】

2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象