下町人情にあふれる東京・葛飾区が「いま外国人観光客に大人気」なワケ…葛飾を訪れる外国人観光客の「“約5割が足を運ぶ“人気スポット」は?

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元フランス代表選手のジダン氏をはじめ、世界的なプレイヤーが「自分がサッカーを始めたきっかけである」と言った作品であるだけに、特にヨーロッパからの観光客を集めているようです。

大空翼像
こちらが「四つ木つばさ公園」にある「大空翼」の等身大像です(筆者撮影)
四つ木つばさ公園
少し離れた場所にある「四つ木公園」には、日向小次郎の銅像も(筆者撮影)

外国人観光客が葛飾区で訪れるスポット

その他、葛飾区には世界的なおもちゃメーカー「タカラトミー」があることから、「リカちゃん」(1967年~)や「トミカ」(1970年~)、さらに同社が世界に誇る「ベイブレード」(1999年~)の聖地としても知られています。

京成青砥駅の近くには、それら作品がデザインされたマンホールがあり、「聖地巡礼」の観光客を集めています。

リカちゃんマンホール
青砥駅周辺に設置された「リカちゃん」マンホール(出所:葛飾区公式サイトより)

また、「モンチッチ」(1974年~)を生み出した会社(株式会社セキグチ)が区内新小岩にあることから、「モンチッチに会えるまち かつしか」としても売り出し中です。

葛飾区を訪れる外国人観光客は、聖地巡礼を目的とした人の割合が多くなっています。

「寅さん記念館」(外国人観光客全体の48%が訪れた、と回答)をはじめ、「両さん像(同34%)」、「寅次郎とさくら像」(36%)、「キャプテン翼像」(27%)など、映画やアニメのゆかりの地として楽しむ外国人観光客が多いようです(平成29年度「葛飾区観光経済実態調査」調査結果より)。

こち亀記念館
「亀有公園」に設置された「こち亀記念館」の誘導サイン。まさに街をあげて盛り上げています(筆者撮影)
四ツ木駅
四ツ木駅そばに設置された案内図(筆者撮影)

昔ながらの風景をそのまま残す、懐かしくて身近なイメージのある葛飾。

『こち亀』や『男はつらいよ』は、この葛飾を舞台にしたことで、リアリティが深まっていると言えます。そこに世界的なコンテンツである『キャプテン翼』などのキャラクターが加わることで、外国人観光客も集める「コンテンツの街」として注目される可能性を大いに持っていると思います。

成田空港からは京成電車に乗って直通でアクセスできる、立地も抜群の葛飾。下町の盛り上がりに、これからの日本のコンテンツ産業を拡大していくヒントが隠されているかもしれません。

古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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