半導体以外でもヨーロッパが台湾に熱い視線を送る3つの理由、戦略的位置づけ、サプライチェーン、そして自由と民主主義

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台湾を代表する経済評論家・謝金河氏(左)の番組「デジタル台湾」に出演し、ヨーロッパでの台湾の地位を解説する謝志偉氏(中)と呉志中氏(写真・番組映像キャプチャー)
半導体によって台湾は世界の注目を集めている。TSMCがドイツに工場を建設したことで、同国における台湾の地位は大きく向上した。台湾の駐ドイツ代表の謝志偉氏は、戦略的な位置づけ、サプライチェーン、そして自由と民主主義の観点からも、台湾はドイツで非常に大きな尊敬を集めていると述べた。
フランスに6年間代表として駐在した呉志中氏によると、ProLogium(輝能科技)や鴻海がフランスに投資したことにより、同国と台湾の関係も大きく進展したという。かつては中国がヨーロッパにとって最も重要な戦略的パートナーだったが、現在、フランスは台湾を非常に重要なパートナーと見なしている。
「台湾のイメージは世界中で本当に素晴らしい。今こそ外交を行う絶好のタイミングだと思う。今では若者たちもどんどん海外に出ていっており、外に出れば出るほど実感するのは、台湾は世界の中でも本当に素晴らしい国だということだ」

台湾と世界は運命共同体の関係

台湾の経済評論家の謝金河氏は《デジタル台湾》という番組で、謝志偉氏と呉志中氏を招き、台湾とドイツ・フランスとの関係について鼎談を行った。彼は、ドイツ連邦議会が2025年5月6日に新たな連邦首相を選出する投票を行い、キリスト教民主同盟(CDU)党首のフリードリヒ・メルツ氏が正式に首相に選ばれたことを紹介。彼の就任により、台湾との外交にさらなる突破口が開かれるだろうと述べた。

彼は、TSMCがドイツに工場を建設したことで、同国が台湾の自由と民主主義を理解するようになり、またTSMCの半導体業界におけるリーダーとしての地位に対しても高く評価していると指摘した。

「2024年8月20日、台湾がヨーロッパで2人の政治リーダーから大いに称賛されました。一方、同じ日に台湾海峡では中国が軍艦や戦闘機を派遣し、台湾を威嚇し脅かしていました。これこそが台湾の置かれている状況です」

謝志偉氏はこのように台湾の現状について強調する。2024年9月13日、ドイツの軍艦はフランス、イギリス、アメリカよりも遅れてではあるが、台湾海峡を通過した。

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