【12年ほど前まで生産が続けられていた名車ワーゲンバス】ブラジルで作り続けられていたフォルクスワーゲン「トランスポーター」の詳細に迫る

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オートモビル カウンシル2025に展示されていた「T2コンビ・ラストエディション」のリアビュー
オートモビル カウンシル 2025に展示されていた「T2コンビ・ラストエディション」のリアビュー(筆者撮影)

トランスポーターは、初代が1950年に生まれたフォルクスワーゲンの商用バンだ。なかでも、前述した1967年登場の2代目は、キャンプやサーフィンといったアウトドア・レジャーなどにも使われたことで、当時の若者たちから大きな支持を受け、世界的に大ヒットを記録。自動車の巨大マーケットである北米では、タイプ2の愛称で親しまれた名車だ。また、北米人気が伝播した日本でも、当時多くの輸入車が上陸し、ワーゲンバスの呼び名で知られる人気モデルの1台となっていた。

そんなトランスポーターのブラジル生産車がコンビ。初代モデルから主に南米諸国向けに現地生産されたモデルで、1975年に2代目へ移行。これも先に述べたとおり、本国ドイツでは1979年に生産終了したものの、ブラジル版は2013年まで約38年間も作り続けられた。

1200台限定、希少な最終モデル

室内には、最終モデルである「Last Edition」という文字と、「0147/1200」と1200台中の147台目という証、さらに「2014」という年式が記される
室内には、最終モデルである「Last Edition」という文字と、「0147/1200」と1200台中の147台目という証、さらに「2014」という年式が記される(筆者撮影)

その最終仕様となるT2コンビ・ラストエディションでは、エンジンを従来の空冷から1.4Lの水冷4気筒に変更。これは、世界の排気ガス規制の影響を受け、ブラジルでも規制値がきびしくなったことに対応したためだ。また、使用燃料もブラジルの国策に対応。エタノール100%やガソリンとエタノールの混合、ガソリン100%といったさまざまな燃料での走行を可能とすることで、高い環境性能を実現していた。

ところが2014年からは、ブラジルでも新車にABSやエアバッグなどの安全装備を義務化。それに対応するのがきびしいということで、2013年に生産終了。その最終モデルは1200台のみの生産と、かなりのレアモデルとなったのだ。

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