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経営危機の日産自動車、社外取に「NO」突きつけた幻の株主提案、ガバナンスの最先端・指名委員会等設置会社の欠陥

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3月11日に行われた内田氏(中央)の社長退任とイヴァン・エスピノーサ氏(右)の社長就任の記者会見では、社外取で取締役会議長の木村氏(左)は自身を含む8人の社外取は全員留任すると明言した(写真:日産自動車のオンライン会見)

「執行役だけに責任を取らせて、自分たちは2000万円以上の高額報酬をもらってのうのうと残る。社外取としての役割をまるで果たせていない」と、日産の社外取を厳しく糾弾するのはアクティビスト(モノ言う株主)として知られるストラテジックキャピタル(SC)の丸木強代表。

SCは日産の上場子会社・日産車体の株式を3.4%保有、車体の独立性や収益力を問題視しており、日産に対して車体の完全子会社化を要求している。昨年夏には株主提案に必要な300単位の日産株も取得し、今回の総会では株主提案も行っている。

丸木氏は日産の指名委員会のほか、報酬委員会のあり方も問題視する。「日産の株価低迷は今に始まった話ではない。なぜ社長を早く交代させなかったのか?なぜ6億円以上の役員報酬を社長に出していいと判断したのか?何のために指名、報酬委員会があるのか?」。

もともと業績の割に日産の役員報酬は高いことで知られており、内田氏の報酬総額は2022年度、2023年度と6億円を超えていた。業績が悪化した昨年11月以降は月額報酬の50%を返上、それでも2024年度は3億9000万円だったことが6月23日に開示された有価証券報告書でわかった。

退任する4役員に合計6億4600万円の報酬

5月27日に公開された今回の株主総会招集通知には、3月末に退任した執行役4名(内田氏に加え、坂本秀行氏や星野朝子氏、中畔邦雄氏の副社長3名)に対して合計6億4600万円の退任報酬を支給することも記されていた(2024年度の内田氏の報酬3億9000万円には退職報酬1億7500万円が含まれている)。

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