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「強い主張を繰り返すメディアは親しまれない」「ネット出現時の失敗を繰り返していいのか」…朝日新聞社長が語った“反省”とAI時代の生き残り方

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――そうすると、よくも悪くも“朝日新聞らしさ”のようなものは今後変わっていくのでしょうか。

変わるところはあるが、メディアの存在価値は権力監視的な発想などにあって、政府とともに歩むことではない。いろんなものを批判的視点から眺めることは基本でないといけない。

それは朝日新聞がこれまでいちばん強かったと思うし、これからも変わらない。経営が悪くなるとそういったところが段々緩くなるが、朝日新聞こそは断じて譲らないぞ、という思いは大事にしたい。

角田克(つのだ・かつ)/1965年生まれ。早稲田大学卒。1989年朝日新聞社入社。東京本社社会部長、人材戦略本部長、編集局長などを歴任。コンテンツ・デジタル政策統括の専務取締役を経て、2024年6月から社長。2025年6月、朝日新聞グループ全体を統括するCEO(最高経営責任者)に就任(撮影:尾形文繁)

――公権力に対する批判的スタンスはこれからも維持し続ける決意があると。

批判的視点を持つのがメディアの本質だと思っているので、そこについては変わらない。でも、批判的な視点を朝日新聞としての展開のすべてにはしない。

原発1つにしても、「脱原発」と言う人もいれば、「原発を動かすしかない」と言う人もいる。今の皆さんは、それぞれの意見を同じように知りたいと思っている。だって、AIやデータセンターは原発がないと動かせないようなことも、みんなわかっている。

だから「原発が絶対必要だ」という意見も、朝日新聞の社説とは(考えが)違うから載せない、載せる回数が少ない、とするのは違う。ほかの意見は違う、認めない、といったメディアであってはいけない。

理想は“多様な軸”を持つ記者

――「3中」を目指すうえで、朝日新聞が求めるジャーナリスト像はどのようなものになるでしょうか。

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