仲山さん夫妻は1992年に香川へ移住。昌樹さんは関西圏に住むのは初めてだった。「関西の人は自分の中に土足で入ってこられる感覚があり、はじめは戸惑いました。関西の人は呼吸するようにギャグが出ますがそれにうまく応えられず、『ボケても突っ込んでくれない』などといわれることもありました。でも程なくして順応できました」。
香川で花開いた「おもちゃ屋人生」
移住後は、大手チェーンのおもちゃ屋をフランチャイズ経営した。
フランチャイズのおもちゃ屋で昌樹さんは店長、法子さんと法子さんの妹が店員となったが、これが水に合った。「とても楽しかったですね。当時『ハイパーヨーヨー』というおもちゃが流行していて、うちの店はその認定店になりました。店長がヨーヨーのトリックをできないといけないので、僕はずっとヨーヨーを持ち歩いて練習しました」(昌樹さん)。
おもちゃメーカー主催のヨーヨー大会というものもあり、常連の子たちを引き連れ出場すると、四国ブロックで優勝して東京で開かれた全国大会にも進出した。
「当時の子どもたちの何人かとは今も付き合いがあります。子どもたちは『前の店長や地域のほかのおもちゃ屋の店長には邪険にされた。店長は歓迎してくれる』と喜んでくれました」
おもちゃ屋では地域の子どもと仲良く過ごしたが、1987年に結婚してから12年間、自身の子どもはできなかった。一度流産も経験して半分諦めかけていたが、1999年に双子の長男と次男が生まれた。
「当時はおもちゃ屋をやっていたので帰りは20時以降と遅く、双子の子育ては大変でした。双子というのは何でも同時に反応するので、授乳となるとほんとうに大変。同時に授乳はできないので、おもちゃを改造して自動授乳機を作ったこともありました。
ただ、双子だったからこそ私もしっかり子育てに参加することになり、結果的によかったと思っています」(昌樹さん)
双子は高校・大学・部活まで常に一緒。「顔はそっくりだけど性格は真逆。兄はおっとり、弟はやんちゃ。でも仲はいいですよ」(法子さん)。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら