企業の設備投資は引き続き低迷している。国家統計局のデータによれば、設備投資の指標である固定資産投資の伸び率は2025年1月から5月までの累計で前年同期比3.7%と、1年前に比べて0.3ポイント低下した。
民生証券の調査レポートによれば、「トランプ関税」の影響で輸出の先行きが見通せない中、多くの製造業が設備投資に慎重になっているという。

不況が長期化している不動産セクターの関連指標も、底打ちの兆しは見られない。1月から5月までの不動産投資の累計額は前年同期比10.7%の減少を記録。前出の民生証券の調査レポートは、5月はマンションの販売面積および竣工面積の縮小が加速し、北京、上海、広州、深圳の4大都市でも住宅価格が下がり続けていると警鐘を鳴らした。
追加の景気対策が必須
対外貿易の指標に目を移すと、中国の輸出は5月の伸び率が前年同月比4.8%にとどまり、1年前より3.3ポイント低下。対米輸出に限れば前年同月比34.6%の大幅な落ち込みを記録した。

その要因がアメリカのトランプ大統領が打ち出した「相互関税」にあるのは言うまでもない。国盛証券の首席エコノミストの熊園氏は、5月の貿易統計には米中両国が5月12日に合意した追加関税の一時引き下げの成果がまだほとんど反映されていないと指摘。対米輸出の減少幅は6月から7月にかけて徐々に縮小すると予想する。
とはいえ、熊氏は先行きを決して楽観していない。「6~7月はアメリカとの貿易交渉および(買い換え補助金など)既存の景気対策の執行期にあたる。その先の景気腰折れを防ぐため、追加対策の立案が急務だ」。熊氏はそう強調した。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は6月16日
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