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「芳根京子の好演が素晴らしい」「本田響矢の抜擢も見事」…。ドラマ《めおと日和》が”推し活的熱狂”を生んだ背景

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  • 白川 穂先 エンタメコラムニスト/文筆家
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コミカルな場面で見せる表情豊かな茶目っ気がそこに加わり、親しみやすさも十分だ。この演技のメリハリに芳根の手腕を感じる。

2クール連続でドラマ主演を務める、芳根京子(出所:フジテレビ公式YouTube)

過去にはドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS系、2015年)のように、部活の輪の中心にいる明るい主人公から、映画『累 -かさね-』(2018年)のように、容姿への激しい劣等感に苛まれて育った陰鬱な女性まで、幅広い役柄を演じてきた。

そんな芳根の技術を技術に見せない巧みな表現力が、なつ美という愛される主人公を成立させたのだ。

フレッシュなヒーローと嫌われないヒロイン。この夫婦の組み合わせがハマったことでキャラクター人気が加速し、推し活のような現象にまで発展したのではないだろうか。

恋に障壁は不要?「推し」に優しい世界

本作はそんな「夫婦=推し」が見たい視聴者層にとっておそらく、非常に親切で優しい世界になっている。

昭和初期の新婚夫婦を描いたドラマ『波うららかに、めおと日和』。「昭和11年春 結婚は、恋のはじまり」というコピーも印象的だ(出所:フジテレビ公式サイト)

この物語の中心にあるのは「新婚夫婦の日常」だ。現代の恋愛ドラマであれば描かざるを得ない、学校や職場など、外の世界(社会、とも言えるかもしれないが)はあまり濃く描かれない。職場の同僚は登場するものの、イベントの舞台となるのはやはり家が中心で、視聴者は夫婦の暮らしや関係性に集中しやすいつくりになっている。

また夫婦の友人知人がみな好意的で、2人に対してネガティブに干渉することがないのも特徴だ。ほのぼのとした新婚生活を描く『めおと日和』では、恋の波乱や障壁がほぼ存在しない。

唯一、瀧昌にとって恋のライバルになりかけるのが、なつ美に想いを寄せる幼馴染の瀬田準太郎(小宮璃央)である。あるとき、夫婦の家を訪れた準太郎がなつ美とくだけたやり取りをしているところを見て、瀧昌が嫉妬するという展開があった。

コミカルなシーンも見どころの一つに(出所:フジテレビ公式YouTube)

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【「推し」需要を満たしつつ、タイパの逆を行く】

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