≪山尾騒動にも言及≫玉木雄一郎「消費税の一律減税は、安定的な賃上げ環境を作る最善策」(前編)

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塩田:前回の2月28日のインタビューで、「物価上昇率プラス2%の名目賃金上昇率を達成するまでは積極的な財政政策・金融政策を使うという方針で国民民主党の経済・財政政策を作ってきた」と説いていましたが、「トランプ関税」でどんな影響が出ていますか。

玉木:数カ月前までは、今年も賃上げ率は高くて、特に大手企業は去年も今年も5%を超え、連合(日本労働組合総連合会)の第1次集計だと、中小企業を含めて5%を超えたので、かなりいい賃上げが始まったと思っていました。であれば、消費税の減税は要らないだろうと見ていたら、トランプ関税が発表になった。中小企業の賃上げの圧力が非常に弱まっている。今のままで行くと、来年の中小企業の賃上げが大変暗いものになる。

「消費税率の一律5%引き下げ」の真意

塩田:国民民主党は消費税率の一律5%引き下げを唱えていますが、それが原因ですか。

玉木:そうです。去年の衆院選でも公約に掲げましたが、賃上げの流れを見て、積極的に主張するのをやめていたのです。賃金が上がって、所得が増えたら、税金で持っていかれるだけなので、もっと手元に残るようにという所得税の控除額の引き上げという政策に力を入れた。景気が悪くなり、中小企業の賃上げが少し弱含みになっているので、もう一回、景気刺激策が必要です。売れなくなった車を国内で売るというような政策を実行する。食料品に限らずに、消費税を一律減税することは非常に大事です。

例えば「環境性能割」。自動車の取得価格にかかっている最大3%の税金を一時的にやめるだけでも、自動車は売れる。消費税減税にしても環境性能割にしても、それによって国内の購買力を高め、内需を拡大する政策を推進すべきです。

塩田:消費税の税率として、なぜ「5%」を掲げたのですか。

玉木:先述のとおり、われわれは経済政策の基準として、物価上昇率プラス2%ぐらいの成長率を目標にしています。長くデフレが続いたので、物価上昇率と同じだと、まだ弱い。いわゆる高圧経済で、少し労働市場を過熱させるぐらいまでは、積極的な財政政策・金融政策をやろうというわけです。それがプラス2%の上昇分です。だから、物価上昇率が2%だったら、賃金上昇率は4%に。今、東京は3%ぐらいの物価上昇率になっているので、2を足して、5%ぐらいが一つの基準かなと見たわけです。

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