1990年に能勢電鉄での活躍を始めた1700系。それから35年、気づけば阪急時代よりも長い期間が経過したが、その歴史にも間もなくピリオドが打たれる。
最盛期には9編成36両という陣容だったが、前述のとおり現在はこの1757編成だけに。この最後の1編成も2026年に引退予定であり、それは窓下にライトがない“古きよき阪急スタイルの顔”が全て姿を消すことを意味する。

「運転していて一番楽しかった」
「私は610系がまだ残っていた1990年に運転士になりました。1000系や1500系、日生エクスプレスで乗り入れてくる阪急の6000系や8000系にも乗務しましたが、個人的にはこの1700系が運転していて一番楽しかったです。ブレーキを掛けてから利き始めるまでのタイムラグがあったり、車両ごとの個性が強かったりと、昔の車両ならではの苦労もありましたが、その分だけ運転しがいがあり、腕の見せどころでしたね」

同い年の“相棒”に、取材中もやさしい目を向けていた広岡さん。現在は運転士としてハンドルを握ることはなくなったものの、営業担当としてイベントやグッズを手掛ける毎日だという。
引退に向け、1700系への“愛”がどんなかたちとなって現れるのか、楽しみだ。

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