この貫通路部分を除いて、外観や車内の雰囲気は阪急時代とほぼ同じ。客室はマホガニー木目模様の壁にゴールデンオリーブ色と呼ばれる緑色の座席が並ぶ。

1700系の車内。雰囲気は阪急時代とそれほど変わらない(撮影:伊原薫)
阪急と同じ雰囲気の車内
「1700系は客扉の開閉装置が両側にあるんです」と広岡さん。現在、多くの車両は開閉装置が扉の上に1基あり、これで両開きの扉を動かしているが、1700系は左右それぞれの座席下に収められている。
つまり、左右の扉が独立して動く仕組みだ。ラッシュ時に阪急の駅で、駅員が片側だけ扉を押さえて開けているのを見たことがある人もいるだろう。
「ただ、この仕組みは左右のバランス調整などが大変なんです。1700系が引退すれば、その作業も不要となります」
座席下にはもう1つ、ヒーターが収納されている。実はこれも能勢電鉄の“特別仕様”。「当社の車両は山間部を走り、冬季はかなり冷え込みますので、暖房能力を強化したヒーターに交換しました。また、車内保温のため片側に3カ所ある扉のうち中央だけを開閉する『選択開閉機能』も導入しています」。

奥に見えるのが客扉の開閉装置。座席の裏には阪急時代の車両番号が残っていた(撮影:伊原薫)
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