《ロス抗議デモ》在留邦人に日本国総領事館から連日メール「強制退去」が現実味?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

拡大

州兵は通常時には州知事の指揮下にあり、非常時には大統領令によって動員される。いわば、州政府と連邦政府のどちらの指揮系統に属するのかがあいまいな組織である。

トランプ大統領と連邦政府はロサンゼルスにおけるICEへの抗議活動を「内乱」とみなし、州政府の頭越しに約4000人の州兵と、700人の海兵隊の派遣を押し切った。しかし、ニューサム州知事とバス市長は軍隊動員がかえって状況の悪化を招いていると大統領を非難し、大統領令が違法であると裁判所に提訴した。

ニューサム州知事のインスタグラムより※一部加工しています

きわめて異例なケース

過去にもロサンゼルスに州兵が動員された例はある。

1992年のロドニー・キング事件(スピード違反容疑の黒人男性を暴行した白人警官4名が無罪となった)を発端とした暴動では、6日間にわたって市内が無法地帯と化し、暴行・略奪により死者63名を出す大惨事となり、約4000人の連邦軍部隊(陸軍・海兵隊)が暴徒鎮圧にあたった。

このときは当時のピート・ウィルソン知事の要請を、ジョージ・ブッシュ大統領が承認したことによる。

2020年のジョージ・フロイド事件(黒人男性が白人警官に殺害された)の後に全米に広がったBLM(Black Lives Matter)運動は、各地で暴動を引き起こし、ニューサム州知事が州全体で約8000人の州兵を動員、そのうちの約半数がロサンゼルスに派遣された。

今回のように、州兵動員を巡って連邦政府と州政府が正面から対立するケースはきわめて異例だ。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事