安心材料のほうから書くと、冒頭に述べたように、石破内閣は、財政破綻リスクを十分認識していると見られる。与党からの圧力で、「2万円程度の給付金(子どもと住民税非課税世帯の大人には1人2万円加算)」は実現しそうだが、グローバルな投機家たちにとっては、毒にも薬にもならないようなはした金ではニュースにならないので仕掛けにくいだろう。
こうした給付金はもちろんプラスではないし、薬にもならないのだから、やらないほうがいいが、消費税減税のニュースインパクトに比べれば、断然ましだ。しかし、政権が、危機を警戒していても、政権「外」にいる「与野党」(日本の場合は、与党自民党も野党的な外野気分でいる議員が多いのが大きな問題だ)が不用意に動く恐れがあり、いかなる主体にもコントロール不能なので、そのリスクはある。ただし、現状では野党も停滞気味なので、事件が起こるリスクはそれほど高くない。
もっとも恐れるべきシナリオは何か
こうなると、もっとも恐れるべきシナリオは何か。前回記事の最後に記した「債券暴落4つのシナリオ」のポイントは、
ということであった。
上記の4つのうち、3と4、日銀と消費税による財政危機は、現時点では最も恐れるべきシナリオではない。2番目に書いた株価暴落だが、日本の株式市場が最初のきっかけになるシナリオは、現時点では描きにくく、これもマイナーシナリオだ。となると、やはり、最大のリスクは1のトランプ大統領のリスクだ。
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