新スタジアム効果でV・ファーレン長崎の観客数は2年前から倍増、1000億円投資で長崎を変える「ジャパネット流」地域創生
「2024年はリーグ戦のラスト3試合とプレーオフ準決勝の合計4試合をピースタで行ったんですが、入場料収入の合計が2億4000万円と、2023年のホーム19試合分を超えました。この額はあくまでチケット代だけ。席種もさまざまで、2〜3万円台のVIP席もありますし、ボックス席もあります。
そのうち10部屋は試合のない日も年間通して使える形になっていて、部屋の大きさによって金額は異なりますが、年間2000万円程度になっていて、今は全室完売しています。ほかにも約500万円の客室と客席を兼ねたボックス席が27部屋あって、今は19部屋が埋まっています」
こう説明するのは、同クラブの会長を務めるジャパネットホールディングスの髙田旭人社長兼CEO(最高経営責任者)だ。

ピースタは長崎スタジアムシティ内の施設で、隣にB1リーグ・長崎ヴェルカのホーム「HAPPINESS ARENA」もある。こちらは2024~2025シーズンはボックス席の16部屋が完売。「広い部屋でゆっくり食事をとりながら試合を楽しむというニーズが地方でも浸透しているのはすごく大きい」と髙田氏は分析する。
さらには、ホテル「STADIUM CITY HOTEL NAGASAKI」や商業施設「STADIUM CITY SOUTH」もあって、長崎スタジアムシティの収益には宿泊や飲食も加わる。「収益構造がガラッと変わってきたなという感覚はあります」(髙田氏)。
今季の入場者数はついに大台を突破
こうした変化は、Jリーグが5月27日に開示した2024年度のクラブ経営情報にも如実に表れている。V・ファーレンの2023年度の入場料収入は1億8200万円だったが、2024年度は5億4800万円に急拡大。売上高も21億1100万円から23億5200万円に増加した。
1試合当たりの入場者数を見ても、年間通してトラスタだった2023年度は7300人にとどまったが、終盤からピースタを使用した2024年度は9814人。開幕から新本拠地で試合をしている2025年度は9試合消化時点で1万4507人と右肩上がりで推移している。
このペースであれば、2025年度の入場料収入は7億〜8億円に到達する可能性もある。それだけ新スタジアム効果はすさまじいものがあるといえそうだ。
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