「部下と話が噛み合わない」と悩んだら試したい”哲学的思考”――職場のコミュニケーションを有効なものにするための3つのアプローチ

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さらに成果を「顧客のニーズを満たすこと」という方向で考えるなら、「ニーズとは?」を問うことに関心が移るかもしれません。

あるいは成果を「利益を出すこと」という方向で考えるなら、「利益は誰のために、何のために求められるのか?」を問うことに関心が向くかもしれません。

他の人との対話で生まれる関心

私たちは自分がすでに持っている関心や興味が、ある程度固まったものだとみなしがちです。あるいは、自分が何に関心を持っているかをすでに知っていると思っていることがあります。

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しかし、本当にそうでしょうか。

実際には、他の人から「あなたにはこういうところがあるよね」と言われてハッとしたり、他の人と対話するなかで新たな関心が生まれたりします。

批判的・創造的に考えることは、私たちのなかに新たな関心を呼び覚まします。言い換えれば、哲学することによって、私たち1人ひとりの固定化された世界は、「これは気になるかも」「あれは面白いかも」というモチベーションによって拡張されていくのです。

もっと知りたいと思う気持ちが、私たちの世界を拡張し、それについてよく考えることを促します。こうしていうちに、仕事の視座も上がっていくのです。

これが極めて重要な哲学の力だといえるでしょう。

堀越 耀介 東京大学UTCP上廣共生哲学講座 特任研究員

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ほりこし ようすけ / Horikoshi Yosuke

1991年生まれ、東京都出身。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。学術的な知見と、5000人以上に対する対話のファシリテーションの経験を融合させ、企業が課題解決や価値創造に取り組む活動を支援している。NECソリューションイノベータ株式会社、三井不動産株式会社、株式会社SBI新生銀行、株式会社LegalOn Technologiesをはじめとする多様な企業に対して、「哲学」と「対話」によって組織の潜在能力を最大限に引き出すコンサルティングを実施。株式会社ShiruBeでコンサルタント/上席研究員を務め、株式会社電通と研修プログラムの共同開発をおこなうなど、活動の場を広げている。著書に『哲学はこう使う――問題解決に効く哲学思考「超」入門』(実業之日本社)。『Forbes JAPAN』をはじめ、各メディアでも幅広く活躍する。

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