僧侶が説く「納得がいかないことがあっても、原因を探さないほうがいい」の理由――偶然が人生を豊かにすることもある

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あなたの人生にはよいことも起これば、悪いことも起こります。世の中のすべては変化し続けるから、どちらか一方だけの人生はありえません。そういうものなんだと受け止めることができれば、もっと生きやすくなるのではないでしょうか。

葉っぱのフレディと「人生」

これを端的に表現した絵本があります。『葉っぱのフレディ─いのちの旅─』です。この作品は、大きな木に生まれた葉っぱのフレディが主人公のお話です。

春に生まれた葉っぱのフレディは、親友のダニエルやそのほかの葉っぱとともに夏を過ごし、秋には紅葉を経験し、冬になって枯れていきます。葉っぱの1年=一生を通して、人生とは何か?を学べる、非常に示唆に富んだ絵本です。

ぜひ一度は目を通していただきたいのですが、ここではダニエルの言葉を引用してみましょう。

世界は変化し続けているんだ。変化しないものは ひとつもないんだよ。春が来て夏になり秋になる。葉っぱは緑から紅葉して散る。変化するって自然なことなんだ。きみは春が夏になるとき こわかったかい? 緑から紅葉するとき こわくなかったろう? ぼくたちも変化し続けているんだ。
死ぬというのも 変わることの一つなのだよ。
『葉っぱのフレディ─いのちの旅─』 (レオ・バスカーリア・作、みらい なな・訳、童話屋、1998年)
仏陀経営
『仏陀経営』(白夜書房)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

春、夏、秋、冬と季節の移り変わりに合わせて葉っぱも生まれ、成長し、枯れていく。1つひとつの命が、新たな命の循環の一部となる。

葉っぱのフレディは夏に木かげをつくるなど、葉っぱの仕事を果たしながら、生きる充実感を得て、命をまっとうしました。

葉っぱは自分の意思で生まれたり散ったりするわけではありません。そこによいも悪いもありません。最初は変化を恐れていたフレディも、最終的には変化を受け入れることができました。

人生ではどうしたって思いがけないことは起こるものです。社会状況も生活環境も人間関係も変化し続けます。それでも、葉っぱのフレディのように人生をあるがままに受け入れることができれば、人生に対する考え方が少し変わるかもしれません。

愛葉 宣明 法名:釋 明徳 浄土真宗 慈徳山 得藏寺 第23世 代表役員、仏陀倶楽部 代表、著述家

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あいば のぶあき / Nobuaki Aiba

愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校卒業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と事業を立ち上げる。独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」。

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