僧侶が説く「納得がいかないことがあっても、原因を探さないほうがいい」の理由――偶然が人生を豊かにすることもある
私も言葉にしたことや思っていたことが実現した経験はたびたびあります。直感で選んだことが良い結果を招くことも少なくありません(後者に関していえば、多数の経験と失敗を経て、判断が早くなっているともいえます)。
引き寄せの法則を信じるかどうかは別として、ここから1つ、参考になる考え方を見つけることができます。
それは、望めば手に入るといった都合のいい話ではなく、すべてはつながっている、影響し合っているということ。世の中を見渡せば、完全に独立して存在しているものはありません。すべては相関関係にあります。
このような考え方は、ほかにもたくさん見つけることができます。
たとえば、気象学者のエドワード・ローレンツが提唱した「小さな変化が、予測もできない大きな影響を及ぼす現象」というバタフライ・エフェクトとして説明されることもあれば、仏教では縁起という言葉で説明されています。
何を採用するにせよ、(私たちの行動も含めた)この世で起こるすべての物事は、無数の原因や条件が連鎖的に関係しているので、原因や条件が変われば、結果も当然に変わります。すべてはお互いに依存し合っているのです。
物事は起こすものではない
「わざとの法則」をご存じでしょうか。
自分で選んだ行動が、“わざと”がっかりする結果を生んでしまう現象をいいます。
たとえば、急いでいたから普段は使わない高速道路を利用したら、その日にかぎって事故渋滞が起こっていた。スーパーで並んでいるとき、自分が選んだレジだけ進みが遅かった。このように、「そんなときにかぎって!」という結果を生んでしまった経験は一度や二度ではないはずです。
法則といいましたが、実はこの現象に法則などありません。おまけに、「わざとの法則」は誰かが勝手に名づけたもので実在しません。
わざわざこんな造語を用いて何が言いたいかというと、私たちにとって「物事は起こすものではなく、起こるもの」だということです。
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