「まさかここまで売れるとは…」兵庫イチのセレブ街・芦屋に出現したスリランカカレー自販機。「15個まとめ買い」「広告塔にも」なる賢い仕組み

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

商品ラインナップは全部で3種類。1つ目はプレーンカレー×3パック(税込み1800円)。2つ目はナス・ホウレン草・プレーン×1パックずつ入ったセット売り(税込み2000円)。3つ目はチキンレッグのスープカレー(スリランカカレー)×1パック(税込み1000円)。自販機は24時間稼働しており、支払いは現金のみとなっている。 

思い返してみると、芦屋市はカレー屋の数が多いかもしれない。JR芦屋駅前に3店舗、駅から5分ほど歩いた国道線沿いに1店舗、阪神芦屋駅前にも1店舗、カレー屋がある。人口は約9万人、筆者の体感値で5台に1台は高級車(ベンツ・レクサス・BMWなど)が走っているこの街で、もしかしてカレーは国民食ならぬ市民食なのだろうか。 

とはいえ芦屋の自販機でカレーを販売するなど聞いたことがない。かつて1970年代には「ボンカレーライス自動販売機」なるものが全国展開されていたようだが、今や徳島と神奈川に2台を残すのみらしい。 

自販機カレーを始めた経緯、売り上げ、インドカレーではなくスリランカカレーを選んだ理由も気になる……。 

ということで、この自販機カレーを販売している「PEACE CURRY(ピースカレー)」のオーナー夫婦に突撃取材してきた。 

オーナー夫婦の写真(著者撮影) 

お客様の要望に応えようと始めたら、想像以上の売り上げが… 

━━カレー自販機を始めようと思ったキッカケについて教えてください。 

私たちの店は11時30分オープン、14時30分ラストオーダー、15時ちょうどにクローズします。定休日は火曜日で、夜の営業はやってません。営業時間外でも食べたいお客様のために、自販機での24時間販売を始めました。 

━━自販機の月間売り上げについて教えてください。どの商品が人気なのかについてもお願いします。 

2025年2月下旬から自販機での販売を始めて、今のところ毎月の売り上げは10万円以上で推移しています。始めたばかりなのに、まさかここまで売れるとは思ってなくて……正直、驚いています。 

人気の商品は今のところ、取り扱っている3つの商品の中でそこまで差はありません。その上で、今後は自販機の売り上げを20万、30万円と増やしていけたらいいなと考えており、商品の入れ替えや小口での販売も検討しています。まだ設置して約3カ月(※取材時点)なので、試行錯誤しながらやっていくつもりです。 

━━自販機で販売している冷凍カレーは、店のカレーとどう違うのですか?

店のカレーと自販機カレーは「まったく同じもの」を提供しており、調理法も変えていません。ただし、店内販売より多少の手間がかかっているのは事実です。カレーを小分けにして真空して、その後、ショックフリーザーと呼ばれる冷凍庫で急速冷凍しています。

急速冷凍は菌の繁殖を防いで衛生面に配慮するだけでなく、素材の水分や色が抜けてしまうのを防いで、料理本来の風味をしっかりキープしてくれます。
 

スープカレー(税込み1000円)を実際に購入。カレーは冷凍されており、重量を感じた(著者撮影) 
解凍した完成品。大きめのチキン、スープもたっぷり。大人向けのおいしいカレーだった(著者撮影) 
次ページまかないが本業に
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事