「もし、がんと診断されたら…」。YouTubeチャンネル登録者数20万人の"がん専門医"が教える「病院の選び方」と「治療のゴール」
これまでさまざまな病院に勤務し、長年がんの診療に携わってきた私がおすすめする方法は、いたってシンプルです。
それは、次の3つの条件を満たす病院です。
「どこで治療を受ける?」3つのポイント
①自宅から通える病院
②スタッフや設備がそろった「がん専門病院」
③自分と同じ種類(臓器)のがんの治療患者数が多い病院
まず大切なのは、自宅から通える病院であることです。理想的には、片道1時間以内で通える病院がいいでしょう。
がん治療のための通院は、通常1、2回で終わることはありません。手術を受けたとしても、術後の抗がん剤や放射線治療のために何度も受診しなければならないことがあります。
また、少なくとも5年間は、定期的に再発のチェックで通院することが一般的です。調子が悪くなったときに、緊急で受診することもあるかもしれません。こういった場合を想定し、できるだけ自宅から近い病院を選ぶほうが便利でしょう。
ただし、高度の技術を要する専門性の高い手術や、一部の施設でしか行っていない特殊な治療は、遠くの病院でしか受けられない場合があります。この場合も、できるだけ自宅の近くに急患対応や定期検査ができる病院を確保しておくことをおすすめします。
次に、がん患者さんの診療経験が豊富で、スタッフや設備がそろった病院であることが必須条件になります。このためには、地域の「がん診療連携拠点病院」から選ぶのが良いでしょう。
「がん診療連携拠点病院」とは、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、国が指定した専門的ながんの医療機関で、全国に461カ所あります(令和6年4月1日現在)。
「がん診療連携拠点病院」は、基本的には質の高いがん医療を提供できる病院ということになっています。しかし、実際には、病院間での医療レベルに格差があることも事実ですし、病院によって専門性が異なることもあります。
例えば特定の種類(臓器)のがんの治療だけを、多く手がけているところもあります。そこで、あなたのがんの種類について、病院での診療件数(例えば1年間に実施した手術件数)を比べ、できるだけ患者数が多い病院を選びましょう。
手術件数が多い施設(病院)のことを「ハイボリュームセンター(highvolumecenter)」と呼びます。ここで手術を受けたほうが、合併症が少なく、死亡するリスクも低くなることが、多くの研究で示されています。
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