インド新幹線が導入?「JRと共同新事業」続々登場 スタートアップの知見生かし鉄道ビジネス拡大

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屋外に設置されたホームドアは太陽光による入熱で機器内部の温度が上昇し、通信機器が異常をきたすリスクがあるという。そこで、この素材を異常が発生しやすい場所に貼り付け、周辺との温度比較を行ったところ、「ホームドアの表面温度が約10度低下し、信頼性が2倍に高まった」(末光氏)。

審査員を務めたJR東日本の伊勢勝巳副社長は、「ホームドアだけでなくモビリティや駅にも使えそうだ」と手放しで称賛。確かに、鉄道の場合は電子機器類が屋外にあることが多いので、この新素材が活躍する場面は多いはずだ。

もちろん、電子機器類だけでなく旅客にも使える。列車の車内の温度上昇が抑えられ、CO2排出抑制にも寄与する。

インド新幹線にも使える?

末光氏は「これをJR東日本モデルにして世界に広げていきたい」と意気込む。たとえば東北新幹線向けに開発しているE10系の投入が想定されているインドの高速鉄道プロジェクト。高速鉄道車両は精密機械の塊である。インドはでは夏場には50度近い猛暑になり、高速鉄道が安定的に運行できるかどうかが課題となっている。

伊勢副社長は「1つのアイデアですが」と前置きして、「スペースクールの素材を吹き付け可能にして、E10系の表面にこの素材を付ければいい」と期待する。

インドだけでなく、中東やアフリカなど、さらに鉄道とは無関係の用途でもよい。スペースクールの活躍の場はいくらでもある。「世界規模で通用する技術であり、公益のためにもなるし、ビジネスにもなる」(伊勢副社長)。なお、末光氏によれば、このような放射冷却素材を開発する会社は世界中に10社程度あり、「スペースクールがいちばん進んでいる」のだそうだ。

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