「無断で開設された口座は約260件」「不正発覚後にノートパソコンをハンマーで破壊」、いわき信組「悪質な不正行為横行」の驚愕実態

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迂回融資の回収に当たっても、別の不正融資を返済原資にしていた。組合は、個人名義の口座を本人に無断で開設し、当該個人への融資を装ってX社に融資する「無断借名融資」も大規模に実施しており、この資金が迂回融資の返済原資になっていた。

無断で開設された口座は約260件に上り、名義人には組合の役職員とその親族・知人、さらには一般の顧客も含まれていた。しかも外部監査による発覚を逃れるため、1件当たりの不正融資を監査対象外の5000万円以下に設定していた。

長年にわたる不正融資について謝罪したいわき信用組合の本多洋八理事長(写真右、撮影:梅谷秀司)

2009年4月ごろからは、既存融資の毎月返済額1700万円にX社グループ企業の経費を加算した2000万円弱の無断借名融資が毎月のように行われた。

転機となったのは2011年3月の東日本大震災。X社が営業休止となり、迂回融資はここで終了した。だが迂回融資は終わっても、無断借名融資の返済がこぞって延滞すれば外部監査の対象になりかねない。そこで組合は、さらなる無断借名融資を行うことで、それまでの無断借名融資を回収する不正の上塗りを繰り返した。

重要証拠となるノートパソコンを不正発覚後にハンマーで破壊するなど驚愕の隠蔽工作については、本記事の詳報版「『迂回融資・横領・隠蔽』いわき信組で驚愕の不正行為が横行、信頼失墜で高まる信用不安、預金の引き出し求めて開店前から並ぶ顧客も」をご覧ください。
髙岡 健太 東洋経済 記者

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たかおか けんた / Kenta Takaoka

宮崎県出身。九州大学経済学部卒。在学中にドイツ・ホーエンハイム大学に留学。エンタメ業界担当を経て、現在はM&Aや金融業界担当。MMTなどマクロ経済に関心。

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