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日米で進む経済交渉、鉄則破ると密約が待つ? 疑惑再燃の中、「コメ密約」の教訓を生かせるか

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  • 軽部 謙介 帝京大学教授・ジャーナリスト

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5月1日、2回目の日米関税交渉に臨む赤澤経済再生担当相(右)と握手を交わすベッセント米財務長官(中央) (写真:時事)

コメの価格が高騰し、消費者から怒りの声が上がる。

選挙を意識した石破茂首相は新しい農林水産相に小泉進次郎氏を指名、事態の鎮静化に懸命だ。米トランプ政権が何度も日本のコメに言及していることから、「アメリカ産のコメの輸入拡大は、相互関税撤廃交渉の取引材料にもできるのではないか」との意見も聞かれる。

しかしアメリカ産のコメの輸入に関しては密約疑惑が付きまとう。最近もまた新しい「証拠」が見つかった。対外交渉の鉄則を守らないととんでもないツケが回ってくるという典型的な物語を紹介したい。

今年3月、米アーカンソー州リトルロックを訪ねた。ここに立つクリントン大統領図書館で当時の対日政策を調べるためだ。

コメ密約疑惑の新証拠

この図書館に収められている公文書は総計7800万ページに上る。閲覧できたのはそのうちのほんの一部だが、「コメ」「最低50%」「約束」などの単語がちりばめられた文書を見つけた。1996年4月10日付で、ルイジアナ州選出のブロー上院議員(民主党)がクリントン大統領に宛てた書簡だった。この上院議員は当時アメリカの「コメ議員」として有名で、こんなことが書かれていた。

「ウルグアイラウンドの交渉中、日本は輸入するコメの最低50%をアメリカからにすると約束した。1995年度の日本の輸入はその約束に2万トン足りない。次の日米首脳会談で問題を解決してほしい」

同じような文書はほかにもあった。1994年6月27日付で国家安全保障会議(NSC)が作成した大統領宛てメモの中にこんな主旨の記述が確認できた。

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