東京大学理科3類に進んでからの大竹さんは、「恋愛と文学にのめり込む生活を送った」という2年の留年を経て、進学振り分けで医学部に進むことが決まります。ようやく夢であった医師への道が見えてきた段階で、大竹さんは大切な人の死に直面し、そのショックから理科3類を退学します。
理3を退学してからのその後
理3を退学してからは、代ゼミのサテライン予備校で働く生活をスタートします。それから高校生のときから学問として興味を持ち続けていたフランス語・フランス文学の勉強をするため、36歳のときに学習院大学フランス語圏文化学科に社会人入試で入学し、首席で卒業。そのまま東京大学の大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程に入学し、博士課程2年生のときに退学。
現在はお寺で教育の場を創生・活性化させる株式会社禅鯤館(ぜんこんかん)の代表として、子どもの作文教室を開催しながら『超訳 モンテーニュ』の翻訳を担当するなど作家としても活動しています。

「私は浪人を通して、毎日すべきことを後回しにせずにやる能力が鍛えられたと思います。仕事や予定などをこなすときにすべきことを前日に列挙して、一個ずつ消していくという習慣は、浪人時代にできたものですね。すべきことをしっかりその日のうちにクリアすると私は清々しい気持ちになるので、浪人時代は清々しい日々を毎日送ったことになるでしょうか。
小さいときから浪人時代も含め、ずっと本を読み続けてきたのもよかったと思います。でも、現在はそういう機会がどんどん少なくなっていることに危機感を覚えました。その状況をなんとかするため、この夏、新たな挑戦として書店で絶版になるような本を集める古本書店を開こうと思って、クラウドファンディングを始めました。どうにかして、子どもたちが、紙の本に触れる機会を作ってあげたいので頑張ります」
「遊びと仕事は両立できるので、頑張りましょう」と同年代の方々へのメッセージも送ってくれた大竹さん。
東大理3を退学してから、浪人の経験を生かして前向きに人生を切り開いている大竹さんの人生からはまさに「日々を清々しい気持ちで生きる」ことの大切さを教えてもらいました。
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