1日で4000万円損失の元プロポーカープレイヤーが自分を立て直すときに使った《心を整える最強ワザ》。「わかっていても、できない」の対処法
そんな中で、特に期待もせず、いろいろある手法の一つとしてたまたま出合ったのが、「MET(Meridian Energy Technique)療法」というものでした。
この「MET療法」は、日本ではあまり知られていませんでしたが、「ゲシュタルト療法(感情や体感を重視し、「今ここ」での気づきを得ることや自己成長を目指す心理療法)」をベースに、「タッピング(自分の指先で体の一部を一定のリズムで刺激すること)」を組み合わせた心理療法です。
ゲシュタルト療法の目的は「感情の解放」
「ゲシュタルト」という言葉は「ゲシュタルト崩壊」などの用語として日本でも知られているのでご存じの人もいるのではないでしょうか。もともとはドイツ語で「かたち」「形態」を意味しています。「まとまった一つのかたち」「全体性」を意味することもあります。
ゲシュタルト療法では、「感じるべき感情が抑圧されていることで逃避行動が生まれている」との考えに基づき、本来持っている感情を解放することを目指します。
その結果、自分が抑圧していた感情に気づき、改善のためにとるべき行動に自然と気づくのです。ただ、このアプローチは、一般的な精神分析や心理療法とは大きく異なる点があります。「逃避行動の原因となっている避けたい感情を解放する」ことを主な目的にしている点です。
一般的な精神分析や心理療法では、セラピストが「今の状態がなぜ起きているのか」を分析し、その原因を理解することに重きを置きます。しかしゲシュタルト療法では、原因を分析して理解するだけでは、クライアントの行動や心の状態は根本的には変えられないととらえるのです。
例えば、つい同僚と比べてあせったり、失敗したらどうしようと不安になって、仕事の成績が下がっているビジネスパーソンの場合です。
「まわりと比べてしまうからプレッシャーになってしまうのです。だからまわりのことは気にせず自分のことに集中しましょう」などと正論を言われても、実際にそのアドバイスを実行できないことがほとんどではないでしょうか。
こうした状況が、まさに「わかっていても、できない」状態です。プレッシャーが原因と「わかっていても」、冷静に判断「できない」のです。ゲシュタルト療法では、この状態に対し、「クライアントの鍵となる感情を解放していく」手法をとります。
仕事のプレッシャーによりあせったり、恐れを抱えているビジネスパーソンの場合なら、まず、その「あせり」や「恐れ」といった感情を吐き出してもらいます。
このビジネスパーソンに対して、「どのようにプレッシャーを感じているのか」「プレッシャーを感じているときは、心の中でどんなことが思い浮かぶのか」などを感じてもらう必要があるのです。
もちろん、そのときにどのような感情や言葉が浮かぶかは人によって違います。ただ、その感情と向き合わなければ、問題は解決しないとゲシュタルト療法では考えるのです。セラピストは、その感情をただ受けとめ、寄り添います。
人が逃避行動をとってしまうのは、「感じるべき感情を感じていないから」です。プレッシャーを感じている、その感情に向き合い、感じきらないと、問題は解決しないのです。
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