英語に会計、ITスキル…40代でも“時間を大量投入”してまで学ぶべき?《社会人の学び》を始めるときの心構え

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正解はないがゆえに、自分自身にとっての優先順の見極めが大切だ。

加えて、どんな知識においてもそうだが、「どのレベルまで極めるか」というゴールの設定も重要だ。

会議の内容を何となく追えれば良い、メールを書ければ良いなのか、それともリアルタイムの会話ができるレベルなのか。

年代によって変わる位置づけや重要性

そういったゴールのイメージを最初に持つことが、どの程度のリソース投入を要するか、の見極めにつながるので、それも大切であることは言うまでもないだろう。

そのうえで優先順位をつけるべきなのだ。

そしてその優先順位は往々にして、自分自身のビジネスパーソンとしてのポジションによって変わってくるのだ。

前述の英語にしても40代と20代ではその位置づけや重要性は変わってくるのが、当然のことだ。

というよりも、若干手厳しいことを言わせていただくと、英語なりはグローバル化した世の中においては、ビジネスパーソンの必修教育のようなものなので、「社会人になる前に身に付けておくべきスキルの一つ」なのだと思う。

本来語学たる英語は、日本において日本語ができないとマズいのと同様に、グローバル化したビジネスシーンにおいては必須なのだ。

要はビジネスパーソンとしての基礎スキルということで、(職業としての専門通訳や翻訳をなりわいとしている場合は別だが)、本来できることがプラス評価になるような代物ではない、ということだ。

英語以外にも、基礎レベルの会計知識とITスキルも同様に基礎知識として、理想的には学生のうちに、遅くても社会人2、3年のうちに、というのがあるべき姿だ。

語学としての英語もそうだが、分析力や物事を構造化する力などにつながる数値スキルや、PC操作はもちろん生成AIを始めとする自分の業務効率化、迅速化につながるITスキルもビジネスパーソンとしては本来当然のように持っているべき基礎スキルだ。

逆に言うと、それらの基礎スキルを40代とかになって身に付けることについては、非常に慎重になるべきだし、その合理性なりは真摯に考えるべきなのだ。

今からやって、本当にビジネスパーソンとしての自分の価値向上につながるのか、という問いだ。

自分はどこに注力するべきか、つまり自分はどういった分野でバリューを出すべきか。

反対に言うとどの分野をアウトソースするべきか。

そういった見極めが大切だ。

生涯学習というくらいだから、学ぶ対象はあまたあるし、今後もどんどん増えるだろう。

もちろんその対象は仕事に関することだけではなく、人生を豊かにする教養的な側面をもつ分野もしかりだ。

自分はビジネスパーソンとして、そして1人の大人としてどのフェーズにいるのか。

そういったことを念頭に、今何を学ぶべきか、何を捨てるべきかを考え、一歩一歩着実に前進を図るべきなのだろう。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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