中国国内の天然ガス需要は全体的に低迷している。重慶石油天然ガス交易センターのデータによれば、中国全土の1〜3月期の天然ガス消費量は1057億5000万立方メートルと前年同期比2.2%減少した。

天然ガスの需要家の中でも、工業セクターのユーザーは価格動向に敏感だ。1~3月期は国際原油相場の下落とともに軽油などの化石燃料の価格が下がり、需要のシフトが起きたとみられている。
米中“関税戦争”の影響も
中国政府は、2025年のGDP(国内総生産)成長率の目標を5%前後に設定している。国有エネルギー大手、中国石油化工集団(シノペック)傘下のシンクタンクは、LNGの輸入が減少する一方でパイプライン経由の天然ガス供給が増加し、2025年の天然ガスの年間需要は前年比5.5%増えると予想している。

「中国の天然ガス需要は、マクロ経済的にはGDPとの相関性が高い。LNG需要は2025年後半には一定程度回復すると見るが、米中の“関税戦争”が軟着陸できるかどうか次第だろう」。前出の中国石油国際事業の張氏は、先行きに対する自身の見解をそう述べた。
市場関係者の間では、2025年のLNG輸入量は通年でも前年より減少するとの見方が主流だ。前出の卓創資訊は、2025年の年間輸入量は前年比約1割減の6877万トンにとどまると予想している。
(訳注:中国政府の2025年の成長率目標は、3月に開催された全国人民代表大会で公表されたもので、米中関税戦争の影響は織り込まれていない)
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は5月21日
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