
世界最大の液化天然ガス(LNG)輸入国である中国の輸入量が、2025年に入って大幅な減少を見せている。
「年初からの輸入量は予想を下回り、前年同期比で約2割減少した」。中国石油国際事業(ペトロチャイナ・インターナショナル)でグローバルLNG事業の責任者を務める張耀宇氏は、5月19日に開催されたエネルギー業界のイベントでそう述べた。
情報サービス会社のブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)のデータによれば、中国の2025年1~3月期のLNG輸入量は前年同期比で約500万トン、率にして20%以上落ち込み、四半期ベースで過去最大の減少率を記録した。
需要低迷で在庫高止まり
また、コモディティ調査会社の卓創資訊のデータによれば、1~3月期に中国の港に入港したLNG運搬船は延べ226隻、輸送量は合計1554万5000トンだった。これを直前の2024年10~12月期と比較すると、入港数は78隻少なく、輸送量は485万5000トン減少している。
輸入量の顕著な落ち込みの背景には、温暖化による冬季の暖房需要の減少、在庫水準の高止まり、(パイプラインで供給される天然ガスなど)競合するエネルギーと比べた割高感など、複数の要因があるとみられる。
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